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連載小説 秘められた青春 芙蓉と葵  (2)-1

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この小説はフィクションです (2)ー1    マウイ島の花(2018年撮影) (2)-1 の 登場人物   紺野 芙蓉              杉野先生             芙蓉の母             高橋 葵                                 (2)ー1    芙蓉は秘密を誰にも言えぬまま、受験勉強をした。  柳原君への想いはますますつのっていくが、自分は穢れた身であるから柳原君に想いを打ち明けることなど出来ないと思った。  せめて、柳原君が東大に行くのなら自分も東京に行きたいと、京都の短大をやめて、東京の短大に変えた。  ところが、蓋を開けてみると、柳原君は東大の理 3 をやめて、京大の工学部にはいっていた。芙蓉は今更どうすることもできず、母と上京して女子専門の下宿を決めた。葵は地元の国立大学に入って意気揚々としていた。  芙蓉の母は、担任の杉野先生にお礼に行かなければならない、あなたが大学に入れたのは先生のご指導の賜物なのだからと言った。芙蓉はそんなことはしなくていいと言ったけれど、母は先生に似合いそうなネクタイを買って、有無を言わせず、芙蓉を連れて先生のお宅に伺った。  杉野先生は恐縮しきった様子だった。 「いやいや僕の力というより、芙蓉さんがまじめに勉強されたので、通ったのです」と言って、髪をかき上げた。母の後ろで隠れるように立っている芙蓉をちらっと見た。その時の目は、恐怖におびえている目だった。芙蓉もまた恐怖におびえていた。  葵は葵で、芙蓉が東京に行く前にもう一度先生の所に遊びに行こうよと誘ってきた。芙蓉は断わる理由が立たず、葵の後ろについていく羽目になった。 「紺野も高橋も、志望通りの所に入れてよかったな」 「せんせのおかげです」と葵は目をうるませている。 「紺野は初めての親からの独立、それに東京は気候も違うし健康に気をつけろよ」と先生はあのことはなかったことのように、何の感情も表さないで言った。  芙蓉の方は、なかったことにしようとしても、しきれなかった。あの時の衝撃が、体をさいなんだ。幸いにして、月のものは順調にやってきた。表面上は何にも変わったことはない。けれど、あのことはしっかりと体に刻み込まれていた。もう取り返しがつかない。柳原君に申し訳ない、柳原君に捧げたかったと身勝手...